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- 筋肉トレーニング若い人の整形外科
- 中田先生達は113名の妊婦さんを対象に足型と妊娠中の不快症状の関連を調べました(中田覚子ほか佐久大学看護研究雑誌12:67-75,2020)。その結果、77.9%の妊婦が踵を覆う形の靴を常備靴とし、18.6%の妊婦がサンダルを常用靴としており、妊娠判明後に3cm以上のヒールがある靴を履いている者はいませんでした。このように、皆さん、転倒に気をつけられていました。また、49.6%の妊婦に足型異常があり、浮き趾が最も多い足型異常であること、浮き趾がある者は浮き趾がない者と比べ、足がつりやすいことが明らかになりました。その理由として、妊娠して腹部が増大すると重心が前に移動しますが、浮き趾があるとつま先で重心が支えきれないと僕は考えます。だから、若い女性の方は普段から足の趾を良く動かし浮き趾を予防していないと妊娠した時に困るのでご用心下さい。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
浮き趾を放置しておくと妊娠した時足がつって悩まされる
- 筋肉トレーニング若い人の整形外科説明
- 外反母趾は装具を着けただけでは治りません。足の趾を良く動かし筋肉をつけることが大事です。Kellar先生らは、外反母趾の体操にヨガの知識を応用しました(Keller D: Yoga Plus Joyful Living Magazine. November–December 2008, 72–79.)。方法は、足の趾の付け根とかかとを床に着けながらすべての足の趾を持ち上げ、その後、母趾を内側方向にゆっくりと下に押しながら、小趾を横方向に下に押し出すようにします。この足趾を広げる運動を1日20分間、週に4回行うと8週間で外反母趾の痛みが和らぐ人が多いそうです。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
ヨガの外反母趾体操は母趾を床に押しつけ、小趾を横に押し出す
- 若い人の整形外科説明
- 内側が高くなった靴の中敷きをアーチサポートといいます。一般的にアーチサポートは踵にかかる体重を土踏まずに逃してくれるので、足底筋膜炎などの踵の痛みの治療として使われます。しかしFarzadi 先生達は、内側アーチサポートは、母趾と第1中足頭にかかる圧力を第3,4,5趾(足の中指、薬指、小指)に移すことができるので、外反母趾の効果的な治療法であると報告しました(Farzadi M, et al.Prosthet Orthot Int. 39:134-139,2015)。つまりアーチサポートは前足部の外反母趾にも後足部の足底筋膜炎にも効くということになります。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
靴の内側が高くなった中敷きは外反母趾にも踵の痛みにも効く
- 筋肉トレーニング若い人の整形外科説明
- Mochizuki先生達 は外反母趾の治療用としてドラッグストアーなどで売られている母趾を真っ直ぐして面テープで固定する装具を着けた時と着けていない時の外反母趾の角度と重心が足の裏を通る位置の変化を調べました(Mochizuki T, et al. Asia Pac J Sports Med Arthrosc Rehabil Technol. 19:7-10,2019)。その結果、装具を着けると歩行中の外反母趾角が少なくなり、重心の位置が改善されました。しかし装具によって矯正された角度は平均でわずか6°であり、装具を着けても外反母趾角が21°以上の人もいたそうです。だから外反母趾の治療では装具に頼ってはだめです。足の趾を広げる訓練も一緒にしましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
外反母趾の方は装具に頼ってはだめ!足の趾を広げる訓練も一緒にしよう。
- 筋肉トレーニング若い人の整形外科説明
- 浮き趾になると趾先に体重がかからなないため、その分趾の付け根への荷重が増加し、この部分の骨が変形し、足の裏の筋肉にかかる負担が増え土踏まずが低くなり、内反小趾角度になってきます。Saito 先生達は浮き趾に扁平足(足底面に対する内踏まずの高さが低い)や内反小趾を合併した浮き趾患者さんでははそれらを合併していない患者に比べて保存的治療の効果が少ないと述べています(Saito R, et al.J Phys Ther Sci. 31:282-286,2019)。だから、浮き趾は足の趾の筋トレで早めに治さないと取り返しがつかなくなります 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝