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- 腰痛説明
- 国内のある病院では24人の腰部脊柱管狭窄症の人と腰が痛くない18人に椅子の腰掛ける時のビデオを撮影して、動作を分析しました。その結果、腰部脊柱管狭窄症の人では、骨盤を後ろに傾け、股関節をゆっくり曲げていく座り方をしていました(木村悠人ほか:腰部脊柱管狭窄症患者における…理学療法科学.31:541-546,2016)。一方、腰痛のない人では骨盤を前に倒してお尻を突き出すようにして座ります。腰痛がある時の座り方をするためには膝を伸ばしたまま股関節を曲げていくので膝を伸ばす筋力がなければ、尻餅をついて、腰椎に衝撃が走り、腰痛が悪化します。このため、慢性の腰痛症を持つ方は激しい腰痛が再発しても良いように普段からスクワットをして膝を伸ばす筋肉を鍛えることをお薦めします。スクワットは膝が爪先より前に出ないように壁にもたれかかりながら行いましょう。なぜならば、ひざが爪先より前に出ると、重力で大腿骨が前へ滑り、ひざの前後方向への揺れを防ぐ十字靱帯が弱くなっていると、軟骨がすり減り、ひざを傷めてしまうからです。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
自粛時の運動不足8: 慢性の腰痛を持っている人は膝の筋トレもかかさずにしよう
- 腰痛説明
- 「腰痛予防に筋トレしようと言われても私は筋トレは苦手、気が重くなる」という方はガーデニングをしましょう。ガーデニングというとお洒落ですが、草取りで良いのです。ある調査では29人の草取りを日課としている高齢者を1年間追跡調査しました。その結果、日常生活において膝痛、腰痛を感じている人数は草とりをしていなかった人より少なかったそうです。(桜田由紀子ほか:草取り作業を実施している農村…理学療法研究 .34: 14-19、2017.)。その理由は、ガーデニングや草取りをする時にはしゃがみこんだり、立ち上がったりしなければなりません。そのため骨盤周辺や下半身の多くの筋肉が鍛えられ、骨盤がスムーズに動くようになり、腰椎にかかる負担が減ります。「私は腰が痛くてしゃがみこんだり、前屈みになれないので草取りはできない」という方は片方の膝を立てて、もう片方の膝を地面に着けてしゃがみこみましょう。これだけでは地面についている方の膝が曲がり過ぎて痛むので膝の裏にタオルを丸めて入れましょう。立てた膝とお腹の間にもタオルを入れましょう。そうすれば前屈みにならずに草取りができます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
自粛による運動不足7: しゃがみこみ(草取り)ができない人は片膝を立ててタオルを当てよう
- 腰痛説明
- コアとは「芯」という意味ですから、コアエクササイズ体の真ん中、つまり胴体の筋肉を鍛えます。腰痛に効きます。コアエクササイズには色々な種類がありますが、お薦めはサイドブリッヂです。サイドブリッヂによって主に骨盤の縁から大腿骨に向かって着いている中殿筋を鍛えられます。中殿筋が弱くなってくると歩く時左右の骨盤が揺れて腰にかかる負担が増え、腰痛が起こり易くなります。サイドブリッヂの良い点はそれぞれの人の体力に応じて選べるところです(大江厚ほか:非特異的腰痛に対する筋力トレ….理学療法30: 988-998,2013)。寝転がって自分の体重を抵抗力(レジスタンス)する通常のサイドブリッヂが5秒できない人は、立った状態で肘を肘に着き、同じ側の爪先で片脚立ちをして反対側の膝を伸ばす「壁どん!サイドブリッジ」を左右各20秒ずつ朝夕行いましょう。通常のサイドブリッヂが10秒できない人は、横向きに寝転がって、膝を立てて体全体を持ち上げ、反対側の脚を伸ばす「立て膝サイドブリッヂ」を左右各20秒ずつ朝夕行いましょう。壁ドン!サイドブリッヂや立て膝サイドブリッヂしかできなかった人も慣れてくれば、爪先で体全体を持ち上げ20秒間脚を伸ばす通常のサイドブリッヂに挑戦しましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
自粛による運動不足5:コアエクササイズの中で一つ選ぶなら体力に応じてできるサイドブリッヂ
- 腰痛説明
- 腰痛は長時間座っていることなどが原因ですから、腰痛は瞬発力が強くても予防できません。脊柱を安定させるためには体の芯にある多くの筋肉が弱く長く協調して働き続けることが必要です。したがって、腰痛患者の日常生活のためには体の芯にある筋肉の最大筋力よりも持久筋力を高める方が大事です(McGill SM: Low back exercises: evidence for… PhysTher.78: 754-765, 1998.)。コアエクササイズは沢山あります。狩猟犬が見つけた鳥の方向を示す動作のように四つん這いになって左右逆の手と脚を真っ直ぐ伸ばす運動(バードドック)、仰向けに寝て膝を立てた状態で腰を浮かせる運動(バックブリッヂ)、肘を床に着き、同じ側の爪先で体全体を持ち上げ脚を伸ばす運動(サイドブリッヂ)などです論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
自粛による運動不足4:腰痛を改善するために体の芯の筋肉の持続力を鍛えよう
- 筋肉トレーニング説明
- 欧米では下半身の筋肉のトレーニングとしてはスクワットが一般的です。しかし、スクワットでは背骨よりもお尻が後ろに出てしまうので後ろに転倒しない(尻餅をつかない)ように背筋が収縮して腰を反らして姿勢を保つ必要があります。このため、腰痛をよく起こす人にはスクワットはあまりお薦めできません。一方、相撲の基本姿勢である腰割りはお尻を真っ直ぐ下ろすので体の重心は左右の足に分散されるので、腰痛をよく起こす人でも背筋に負担がかけずに下半身の筋肉が鍛えられることがわかりました(栖原弘和ほか:腰割り動作のバイオ….日本臨床スポーツ医学会誌22: 128-137,2014)。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝