貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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ニュースNews

ドーピングあるある

スポーツ若い人の整形外科説明
  北京で冬季の北京オリンピックが開催されています。今回も関西医療大学の増田教授にききました。日本人の感覚では『ズルをしてパフォーマンスレベルを上げる!』という例はほとんど無い様です。下びた表現ですが、恐らくは世界一になっても報奨金などの額が少ないと言うのが理由でしょう。2014年ソチオリンピックを例にとると金メダルの報奨金は日本がロシアの約1/4でした。 したがって、日本人選手のドーピングはほとんどがうっかりドーピングです。今年から副腎皮質ステロイド製剤の注射が一切認められなくなりました。有名な座薬に含まれているプレドニゾロンはアウトです。もちろん申請を行えば正当な治療行為は認められますが、何とも面倒な手続きが必要です。他にも個人的にご注意頂きたいのが緑内障や打撲による眼圧上昇に対する点眼薬です。何と1年ほども影響が残るそうです。 競技会でのドーピングコントロールでは手続後に90ccの尿を提出する必要があります。「よしいける!」と思って排尿したけれど90ccに満たない場合は後で足す事ができますからご安心下さい。でも以前はダメでした。私の知っている例では試合後12時間選手だけではなくスタッフも『缶詰め』になってしまったことがあります。今は水分をがぶ飲みして規定より比重の薄い尿を出してしまった方がやばいかも知れません。書類の記載や排尿から容器への注入・封印など全ての操作が自己責任となります。某国でスタッフが試合を観に行ってしまったのでしょうか?ドーピングコントロールステーションに選手と私の2人しか無くなってしまった時間帯がありました、ええ加減な話です。

スノーボードでは手首の骨折と鎖骨骨折の予防のためバードドックをしよう

スポーツ若い人の整形外科説明
北京オリンピックが行われていますが、平野歩夢選手の怒りのエネルギーからの金メダル、素晴しかったですね。↓スノーボードの事故で最も重傷なのは脳外傷です。それを防いでくれるのはヘルメットですが、浦辺先生達はスノーボーダーのヘルメット装着率を地域別に比較しました。北海道は76.9%、長野は29.0%、広島は19.8%と北海道で装着率が高かったです(浦辺幸夫ほか: JOSKAS 46:212-213,2021)。広島のスノーボーダーの皆さん、北海道を見習いましょう。 スノーボードの外傷で気をつけてもらいたいのが手の骨折です。Shiotani先生達の調査では手の骨の骨折はスキーによる怪我ではたった2.4%でしたが、スノーボードでは手首外傷は16.4%もあったそうです。特に手掌がボードの前方で地面に衝突した際に手首骨折が発生する可能性が高かったそうです(Shiotani Eiji, et al: The Showa University Journal of Medical Sciences.30:123-131,2018.) 尾崎先生らの調査では、スノーボードによる外傷では最近、鎖骨の骨折が増えていることを指摘されています(尾崎猛智ほか:JOSKAS.41:1079-1083,2016)。鎖骨骨折など体幹の骨折を防ぐためには神経・筋コントロール運動が良いです。このため、スノーボードの準備体操として雪の上で左右反対の手足を伸ばすバードドックを立ったままするのが良いと思います。 論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

将棋の名人は古い脳で考える。しかし、古い脳の老化は早い

若い人の整形外科説明
藤井聡太さんが新王将になりました。史上最年少19歳での5冠達成ですね。今までの将棋の名人が最初に獲った年齢とタイトルを手放した年齢を考えると中原誠さんが20歳から45歳、羽生善治さんが20歳から48歳、谷川浩司さんが21歳から42歳であり、一般的な職業より若くして頂点を過ぎるように思います。その理由を過去の論文から医学的に考えてみました。 ヒトの脳は深い部分から浅い部分に積み重なって進化してきました。だから、高度な思考は表面に近い大脳皮質で行われることが多いです。田中先生達は将棋のプロ棋士またはアマチュア高段者の脳活動を測定しました。その結果、プロ棋士では次の一手の直観的決定には大脳基底核が,攻めるか守るかの戦略の決定には帯状皮質が重要な働きをしていました。つまり、プロ棋士はアマチュアに比べて普通の人では原始的な行動で働く進化的に古い脳を使って将棋を打つことがわかりました。 高橋先生達は、顔から名前を思い出す検査を20歳代10人と60歳代11人に行ってもらい、その時の脳の活動を調べました。その結果、当たり前ですが60歳代は20歳代に比べて成績が悪かった。20歳代でも60歳代でも活動していた脳の部分は先ほどのプロ棋士が戦略を決定する時に使っていた帯状回などでした。そして帯状回は年齢の変化で血流が少なく老化しやすいです。つまり、顔から名前を思い出すような直感を大切にするプロ棋士の思考は年齢の変化を受けやすいと僕は考えます。しかし、藤井王将には長く5冠を保持してもらいたいと思っています。 論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

岡山5歳児虐待・布団に巻かれが低酸素脳症。事件から学ぶ胸部圧迫の怖さ

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また悲惨な事件が起きてしまいました。岡山市で当時5歳だった西田真愛(まお)ちゃんは日母親の西田容疑者と内縁の夫の船橋容疑者から日常的に虐待されていたそうです。2020219月真愛ちゃんは搬送前、布団でぐるぐる巻きにされており病院に搬送されたが脳死状態となり、22年1月に低酸素脳症で死亡しました。↓ここで疑問が起こってきます。虐待から3か月経って死亡したのはなぜでしょうか?低酸素脳症って何でしょうか? 低酸素脳症は、心肺停止になり脳に酸素が行かなくなり、その後心臓マッサージなどでされても残る脳の損傷のことをいいます。通常、病院の外で心肺停止になった患者さんの心拍が再開したとしても、約7割がこの低酸素脳症で命を落とすといわれています。↓つまり、一命はとりとめたが、脳死に近い状態でしばらくしてから亡くなる しかし、低酸素脳症は日常生活でも起こりえます。木村先生の研究では胸やお腹の上に30kgの重りで126分圧迫すると呼吸不全になったそうです(本村友一ほか:日本救急医学会雑誌.25: 281-287,2014).↓30kgといえば中型犬の大人の体重です。家の柴犬が知らぬ間に寝ている胸に乗って一緒に寝ると低酸素脳症になるかもしれません。十分、お気をつけ下さい 論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

中之島ロータリークラブを通じて台湾から贈られたFFP2マスクを大阪府医師会に寄贈

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1月15日に掲載した動画でも話ましたようにオミクロン株は空中に浮遊する数が多いです。このため通常の外科用マスクではどうしてもオミクロンがマスクの中に入ってきてしまうのでピッタリと密着させたFFP2マスクを着用した方が良いです(Riediker M, et al:Higher viral load and infectivity increase risk of aerosol transmission for Delta and Omicron variants of SARS-CoV-2. Swiss Med Wkly. 2022 Jan 6. ;152:w30133. doi: 10.4414/smw.2022.w30133)。 2022年2月10日、台湾の3521地区ロータリークラブから2660地区(大阪府大和川以北地域)ロータリークラブ(ガバナー:吉川秀隆氏)に贈られたFFP2マスク12万枚が大阪中之島ロータリークラブ(会長:北村譲氏)を通じて大阪府医師会(会長:茂松茂人氏)に寄贈されました。その会に私も参加してきました。なお、台湾から贈られたマスクは、昨年6月に日本がアストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを無償で提供したことへの感謝で贈られました。あなたもロータリークラブに入りませんか?