貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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ニュースNews

無駄な検査が社会保障費を圧迫している

その他説明
わが国には高額医療費還付制度というとても良い制度があります。しかし、その制度が病院を甘やかせています。高額医療還付制度では、一般世帯の人では約9万円以上(平成24年当時)の治療費になると、後でお金が戻ってきます。この制度のおかげで病院にすれば、新しい技術を行っても確実に収入が入ってきます。だから、病院任せにしているとやらなくてもよい高額な医療をどんどん薦めてきます。 例えば、整形外科の場合、以前ならば、レントゲン写真を撮って、湿布だけ処方していたような患者さんにも「念のためMRIを撮りましょう」と薦めてくることがあります。皆さん、MRIにかかる費用を知ってますか?2万円以上かかるんです。そして、国の負担、つまり、税金や給料から引かれる保険料で1万8200円負担されます。 ひざのMRIを撮ると、多くの人が「半月板が割れています」と言われます。半月板が割れるのは年齢の変化であって、50歳を過ぎれば、半数以上の人で半月板は割れています。つまり、50歳以上の人がMRIで半月板が割れていると言われているのは、「小じわが出てきましたね。」というのと同じぐらい当たり前のことなんです。そこで手術をしたがる医者は「割れた半月板が痛みの原因です。関節鏡で行えば、簡単ですから手術をしましょう」と薦めてきます。必ず、他の医者の意見も聞くようにしましょう。

足底板は着けているだけでは意味がない。着けて歩いてこそ筋力が強くなる

変形性膝関節症説明
変形性膝関節症に足底板を薦める理由は、年齢の変化でО脚になってくると地面からの反重力は膝の内側を通るようになるので、膝の内側が痛くなってきます。そこで足の裏に外側が高くなった足底板を入れれば、地面からの反重力が膝の真ん中を通るようになり、膝の内側の痛みが楽になるからです。 しかし、日常生活の殆ど靴を履いている欧米人では外側楔状は変形性膝関節症に殆ど効果がないという論文があります。僕たちの研究ではウォーキングで1日平均歩数を伸びた数は外側楔状を付けたグループの方が平坦な靴の中敷きをつけたグループより明白に多かったです。つまり、足底板を着けるだけでは膝の痛みが楽になるのではなく、足底板を付けて運動をすれば、痛みが少なく膝を支える筋肉が強くなり根本的な治療になるのです。解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

整形外科以外で使う湿布は花粉症に効く

その時の話題新型コロナ説明
この3年間は新型コロナの影響でみんなマスクをしていたことと、花粉の飛ぶ量も少なかった影響で花粉症もひどくならない人も多かったでしょうが、今年は違うようです。すでに花粉症でお悩みの方はご存知の方も多いと思いますが、最近、花粉症になられた方にお伝えします。2018年から24時間効く貼る形、つまり湿布のような抗アレルギー薬が発売されました。整形外科以外でも湿布を使うこともあるんですね。 花粉症に対する抗アレルギー薬は効果が出るまで2週間かかるので花粉が沢山飛ぶ2週間前から飲みだす初期療法を行います。でも洲崎先生達の調査ではエメダスチン(一般名)入り湿布は花粉症が飛び出してから貼っても2週間前から貼っても効果は同じでした。 解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

食欲がなくなる糖尿病の薬は米国では美容整形で使用され、品薄になった

変形性膝関節症若い人の整形外科説明食事療法
2022年9月に、日本イーライリリーが一般名チルゼパチドという注射が厚生労働省より「2型糖尿病」の治療薬として承認を取得したと発表しました。血糖値を下げるためのインスリンの分泌を促進するホルモンにはGIP:グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドとGLP-1グルカゴン様ペプチド-1がありますが、チルゼパチドこの両方の分泌を多くします。そしてその副作用として食欲不振があります。ルドビク先生達の調査では3ヶ月後には1週間に5mg注射グループで体重が平均1.9kg減少し、10mg注射グループでは平均3.6kg減少し、15mgでは5.5kg減少しました。しかし、肥満症の患者さんの治療に役立ちます。青野先生達はチルゼパチドの登場に伴い肥満症治療戦略は大きな変換が訪れると期待されると書いています チルパチドが先に発売されたアメリカでは、体重が落ちるために美容整形でも多く使用され、品薄となったため日本での発売が遅れました。しかし、2023年から日本でも処方可能となる予定です。日本での販売は田辺三菱製薬が行い、商品名はマンジャロです 解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

老舗旅館で問題になったレジオネラとは在郷軍人という意味

その時の話題説明
福岡県の老舗旅館「大丸別荘」で、大浴場の湯の取りかえを年2回しか行わず、基準値の3700倍のレジオネラ属菌が検出されていたことが分かりました。僕も福岡で学会がある時に一度泊まったことがありますが、ガラスの格子戸で囲まれた見事な大浴場でした。 レジオネラとは退役軍人、つまり軍隊を引退して軍隊を引退して普段は市民としていますが、戦争が起これば、率先して働く人のことです 1976年はアメリカ独立200周年にあたり、在郷軍人の集まりがあり、そこで集団肺炎が起きました。昔のクーラーは人工の滝に後ろから風を当てるタイプでしたので、水滴に雑菌が含まれていれば、多くの人が肺炎になりました。それ以降規制が厳しくなりました。大丸別荘のやっていたことは間違っていますが、創業158年の旅館の浴場は47年前に発見されたレジオネラに非対応だったことを責めすぎるのは少しかわいそうかなと僕は思います。解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝