ニュースNews
- その時の話題説明
- 元プロレスラーで、参議院議員を2期務めたアントニオ猪木さんが10月1日、79歳で死去されました。お悔やみ申し上げます。猪木さんは難病「全身性アミロイドーシス」で闘病中であり、直接の死因は心臓にアミロイドが溜まったためでした。猪木さんのような屈強な体でも耐えられないアミロイドーシスとはこわい病気ですが、整形外科領域では手首にアミロイドが溜まり手根管症候群が起こることがあります 手首にアミロイドが溜まると親指、人差し指、中指に行く正中神経が圧迫され その3本の指がしびれたり、筋肉が萎縮してきます。この手根管症候群はアミロイドーシスだけではなくマウス操作で手首の掌側を圧迫しすぎても起こってきます アミロイドーシスによる手根管症候群には内視鏡手術が行われることが多い普通の5cmほど切る手術中は見えやすいように筋肉を引っ張るがその時に神経を巻き込んで、術後シビレが起こることがありますが、吉田先生らの調査では鏡視下手術をすればアミロイド患者の手術中の神経障害が少なかったです。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
アミロイドーシスによる手根管症候群は内視鏡が安全
- スポーツ若い人の整形外科説明
- 今回も関西医療大学の増田教授に教えてもらいました。↓アメリカでは年間に100万人前後の入院患者が転倒するそうです。日本でもそうですが、転倒は更なる健康レベルの悪化につながるきっかけとなる場合も多いです。オハイオ州立大学のチームがハイテク靴下を着用する事で転倒防止に有用であるという研究結果を報告したそうです。あれ?サッカーの現場でも先別れなどの機能性ソックスが大流行りで、私も効果を検討した時がありました。しかしそこまで明らかな効果はどうかなあ〜…と思ったんです。 しかしこのスマートソックスという製品はそういうものではなくて、内蔵されたセンサーが患者の立ちあがろうとする動きを検知して、最も近い位置にいる3人の看護師にデバイスを通じてアラーム音で警告するというものでした。569人を対象に13か月間調査した結果、アラームが鳴ってから平均24秒で対応されたらしいです。そして転倒回避については明らかに有用であったそうです。 一方でこのスマートソックスが患者をベッドから動かなくしてしまう可能性も指摘されているらしいです。高齢者の転倒はどの国でも大きい問題ですなあ。 #江坂 #整形外科 #サッカー #ソックス #転倒予防 #スマートソックス
ハイテク靴下で転倒リスクが減少。でも運動不足になり易い
- その他説明
- 60年以上前に日本で大流行したポリオウイルス感染症のその後 コロナに対する特効薬がなかなかできません。ワクチンの副作用を心配する声もありますが、ウイルスによる病気はワクチンが一番有効なようです。小児麻痺(ポリオ)は腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、主に手や足に麻痺があらわれ、その麻痺が一生残ってしまうことがあります。日本では、62年前の1960年に、ポリオ患者の数が5千人を超える大流行となりましたが、生ポリオワクチンの導入により、流行はおさまり1980年の1例を最後に、現在まで、新たな患者は出ていません。世界的にも99%以上減少し、2016年には患者が37人となりました。 ロータリークラブではこれまでに21億ドル(日本円で約3兆円)の費用と無数のボランティアでポリオ撲滅運動に捧げ、122カ国の30億人近い子どもを手足のまひを引き起こすポリオから守ってきました。しかし、日本ではポリオ患者さんを見ることが少ないのでこのロータリークラブの活動があまり評価されていないように思います。 日本のポリオ大流行から60年あまり。整形外科ではポリオの後遺症による変形性足関節症に悩む患者さんを治療する機会があります。ポリオによる足の変形は典型的には足が内側に傾く内反と土踏まずが深くなります。長年親指を中心に歩いていると関節の軟骨のすり減りが早くなりなり、人よりも早く変形性関節症が進行します。我々開業医では注射や装具で治療します。重症例になると手術も行われます。西井先生らによると変形に対して骨切り術を行えば、3ヶ月で痛みなく歩けることが多いようです。コロナウイルスは厄介ですが、人類とウイルスは昔から共存してきました。コロナも60年後にも後遺症を残すかもしれません。ポリオの教訓を大事にするべきだと僕は思います 解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
60年以上前に日本で大流行したポリオウイルス感染症のその後
- 肩こり説明頸椎
- 第1頸椎、つまり、頭に一番近い骨をアトラスといいます。アトラスという名前はギリシャ神話の巨人神の名前でもあります。この神様は戦いに敗れ、世界の西の端で天空を双肩で支える罰を受けました。アトラスと同じように頸がこるのは重い頭を支えるからです。 デスクワーク中は時々頸椎に前向きのカーブを造ってアトラスを休めてやりましょう。顎にしっかり手のひらを着けて頬杖を付いたり、頸の後ろが高くなった枕を使って寝転がりましょう。 #江坂 #整形外科 #江坂整形外科 #第一頸椎 #ギリシャ神話 #大西洋 #環椎 #戸田佳孝
古代ギリシャから頸は凝る構造だと知られていた
- スポーツ若い人の整形外科説明
- 今回も関西医療大学の増田教授に教えてもらいました。最近、国際大会で『失態』のニュースが続きました。 野球のU-15国際大会で『強豪』キューバにリードしていたにもかかわらず、ピッチャーの規定投球数をオーバーした球に没収試合(敗戦扱い)になってしまったとか。 キャッチボールまで厳密に制限されるアメリカと日本では投球制限の考え方が相当異なる事は皆さんもご存知でしょうが、今回の問題はそういう観点では無く、「スタッフが勝負に関するレギュレーションを把握していなかったのか?」というポイントが重大だと思います。 一方バドミントンでは混合ダブルスのエントリーの際に姉妹の氏名を勘違いして出場出来なくなったと…。何だかなあ。選手がホンマお気の毒…。 私自身もサッカー・フットサルの国際大会の現場で驚いた経験があります。予選リーグの場合、一般に勝ち点➡︎得失点差➡︎総得点の順で勝ち抜きが決まりますが、実力差が大きいチームが混ざると勝ち点の次に『直接対戦成績』が位置づけられる場合も結構あるんです。 「このチームはこのまま0-0で終われば勝ち抜けると勘違いしているのでは?ベンチも含めて危機感が無さ過ぎる…」実際試合終了のホイッスルと共に選手・スタッフがガッツポーズ!いやいや、あんたら予選リーグ敗退やって。やっと状況を理解した監督が大会本部に詰め寄ってましたが、裁定が変わるはずも無く…。 勝ち点も1981年までは勝ち2・引き分け1・負け0だったんです。しかし勝利の価値を上げるために3に変更になったんです、ヨーロッパからですね。W杯も1994年大会から変わりました。トーナメントでもアウェーゴール2倍ルールが廃止されました。 学生野球の勝ち点?プロ野球の勝率?とかのシステムはよくわかりません。