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- 説明食事療法食事療法
- 今年もそろそろ寒くなってきましたね(2021年10月28日記載)。スギ花粉症はスギの多い山間部ではなく都会に花粉症患者が多いのでしょうか?また、なぜスギは太古の昔からあるのに高度経済成長期以降になって初めて患者が見つかったのでしょうか? 村中先生達の研究では花粉だけでは花粉症は発生せず、車の排気ガスが加わると発症することがわかりました。だから、市中部で患者さんが多いのです(村中正治:日本本医事新報社/85年4月6日号)。 トマトにはアレルギー反応を少なくするポリフェノールが含まれています。国内のある研究所の研究ではスギ花粉症を持つ人に1月10日から2ヶ月間、トマトからの抽出物を毎日飲んでもらうと、その年の花粉症の症状が軽かったです(小幡明雄:アレルギー・免疫.15:676-682,2008.)。つまり、本格的に花粉が飛ぶ前からトマトを毎日食べるとアレルギー反応が起こりにくいそうです。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
スギ花粉症なら冬にトマトを多く食べよう
- スポーツ若い人の整形外科説明
- 足関節(いわゆる足首)の捻挫が慢性化して…という方は結構多いと思います。特にサッカー選手から「捻挫を予防するテーピングの注意点は何ですか?」と質問されることがありますが、上手く答えることができません。 そこで適切な回答を導く目的で、木曜午前に戸田クリニックで診察して下さっているスポーツ医学に詳しい増田先生を通じて日本でトップクラスの技術を持っているトレーナーにテーピングの注意点を聞いてもらいました。試合の前には使用するテープを何種類もたくさんのサイズ準備しておられました。「あれ?こんな巻き方観た事ない…」選手の要望に合わせて実に細かく調製しておられそうです 一般の方がすぐ役立つポイントを教えて下さったのですが、 1:足関節をきっちり背屈して(つま先を上げて)巻く。なぜなら底屈すると緩いままの固定になる。但し、プロのトレーナーが某代表選手に行う方法では「特殊過ぎる」巻き方があるようです。 2:成長期は出来るだけテーピングをしない。なぜなら自前の『回路』の発育の妨げになる。そうです。 一番のポイントは汗を吸うと固定力が落ちる事で、30分で30%減という報告もあるそうです。コストパフォーマンスの観点からもバンドなどの活用もお考え下さい。当クリニックでは単なる固定のみならずパッドも装着して高齢者の方の様々な症状に対応する製品も準備していますので、ご相談下さい。 解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
足関節捻挫を予防するテーピングの注意点(優秀なトレーナーの指導)
- 変形性膝関節症若い人の整形外科説明
- 韓国の江原大学の研究では、健康な右利きの女性34人のハンドバッグを持った時に歩き方を分析しました(Journal of Physical Therapy Science 25:969-971,2013.)。そのうち18人は体の右側にバッグを持ち、16名は左側にバッグを持つ習慣がありました。体重の約10%の重さのバッグを、左手で持つ、左肩にかける、右手に持つ、右肩にかける、という4種類の持ち方をして歩いてもらいました。その結果、ハンドバッグを利き手で持つ習慣のある人は、利き手でない方の手や肩からかける人よりも1歩の長さが長く歩行速度が速かったです。だから、急いでいる時はハンドバッグを利き手で持つようにしましょう。 紫外線を避けるために日傘を持っている女性が増えています。会社や待ち合わせに遅刻しそうになった時に日傘を持ったまま走っている女性を時々見かけます。日傘は体より前に持つことが多いので、前進する力の妨げとなります。走る時は下半身の筋肉だけで走るのではなく、腕を後ろに振ることによって前進するための推進力が生まれます。だから、日傘を持ったまま走ると膝をはじめとする下半身に負担をかけます。走る時は日傘をたたんで、紫外線を避けるためと推進力を増すために体を前屈させて顔をやや下げて走りましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
ハンドバックは利き手で持った方が速く走れる。日傘を持って走ると膝に悪い
- 変形性膝関節症筋肉トレーニング説明
- 変形性ひざ関節症に対する代表的な筋トレは脚を真っ直ぐ前に伸ばす訓練です。椅子に座って膝を10秒間伸ばし、その後2秒間足下ろします。この運動を5回繰り返してください。12×5回ですから、ちょうど1分(60秒)となります。でもこの訓練では前ももの筋肉である大腿直筋が主に鍛えられます。 しかし、ひざの悪い患者さんで多いのが、「階段を降りるときに痛い」という人です。なぜ階段を降りるときに痛むのでしょうか。それは、階段の上り下りのときに、体の横揺れが大きくなるからです。日常生活での体の横揺れの度合いを調べた研究によると、最も横揺れ(重心動揺性)が増加していたのは階段を降りていたときでした(内田全城ほか:理学療法科学 29:549-553,2014.)。 とくに脚を開くときに働く「外転筋(外ももの筋肉)」が弱っている変形性ひざ関節症の患者さんは、階段の上り下りのときに体の横ゆれが大きくなります。そのため、ひざが動揺して痛みが増してしまうのです。 また、内転筋が衰えると、ひざのお皿の骨(膝蓋骨)を正常な位置につり上げられなくなります。そのため、膝蓋骨と太腿骨のかみ合わせが悪くなり、その間にある軟骨がすり減ってしまうのです(高松敬三:.久留米医学会雑誌.74:23-32,2011)。 ですから、階段を降りるときにひざが痛む人は、大腿四頭筋と一緒に、外転筋と内転筋も鍛えていただきたいのです。股関節の外転筋力を強化すれば、歩くときに骨盤が揺れるのを防ぎ、ひざにかかる負担を減らすことができます 外転筋の鍛え方として僕は、壁に手を添えて立ってもらい、その状態で脚を開く筋トレの方法を考えました(戸田佳孝:整・災外.60:813-817,2017)。鍛えたい脚の反対側の手を壁につきながら、斜め後ろに足を上げ、その状態を1秒間キープします。脚を閉じたら、また1秒間キープ。これを一度に15回から始めて少しずつ増やし、2週間後には30回を目標とします。これを1日2回(朝と寝る前に)行います。 もう一つ、股関節を内側にひっぱる内転筋の筋トレは、椅子に座った状態で行います。鍛えたい方の脚のひざ関節を伸ばし、そのままの状態で脚全体を内側に回します。その姿勢を3秒間キープし、太ももの内側が少し痛くなるくらいの強さで行います。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
変形性膝関節症で階段昇降がつらい人は内側広筋と外側広筋を鍛えよう
- 老化説明食事療法食事療法
- 整形外科は外科の一種ですから手術で治すのが本業ですが、多くの患者さんは手術を望んでいません。食品で少しでも良くなることを望んでおられます。 男性ホルモンのテストステロンの分泌は20歳代でピークとなり,その後は加齢による精巣の萎縮とともに徐々に低下します。女性でのエストロゲンの変動と比べると低下は緩やかである。テストステロン値が高いほど加齢に伴って増加する肥満,動脈硬化,糖尿病などの生活習慣病が抑制的されます。また、テストステロン低下は骨粗鬆症とも関連します(大中佳三:Clinical Calcium.27:947-954,2017)。タマネギに含まれる含硫アミノ酸がテストステロンを上げることがわかっています。男性が60歳を過ぎたらタマネギ1日半個食べましょう。 サンマ,イワシ,マグロ,ブリ,サバなどの青背魚に多く含まれるドコサへキサエン酸(Docosahexaenoic acid, DHA)や,エイコサペンタエン酸(Eicosapentaenoic acid, EPA)は動脈硬化を予防することで有名です。しかし、DHAやEPAから作られる物質は好中球浸潤抑制やマクロファージによる好中球の非催炎症性貪食といった機能を有する関節炎を沈静化する化学メディエーターとなります(村上孝作:日本臨床免疫学会会誌.39: 155-163,2016.)。変形性ひざ関節症やリウマチの痛みが出てくれば、青背魚を沢山食べましょう。 ホモシステインは活性酸素を出して血管を傷つけるために動脈硬化を起こす悪い物質として知られています。骨はコラーゲンが網のようになりそこにカルシウムが沈着してできあがりますが、ホモシステインはコラーゲンの網をつぶし、骨を劣化させます。一方、納豆は血液のホモシステインの濃度を下げる働きがあるので骨の劣化を予防してくれます(小林 直人ほか富山県衛生研究所年報.40: 72-76,2017)。歳をととってくると顎の骨が劣化してきてモゴモゴした口になりますが、それを防ぐためには納豆が良いかもしれません。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝