ニュースNews
- 老化説明
- 骨の密度は年齢が進むほど低下する傾向があります。骨は破骨細胞によって毎日少しずつ 古い骨か壊され、骨芽細胞によって新しい骨が造られ、 ビタミンDやKによって骨の材料であるカルシウムが用意されます。でも壊される骨が増えたり、造られる骨が減ったり、骨の材料が減ると、徐々に骨密度が低下して骨がカスカスになり骨折しやすくなります。この状態を骨粗鬆症といいます。骨粗鬆症になると背骨の骨が骨折(圧迫骨折)を起こしやすくなります。骨粗鬆症による圧迫骨折を起こすと、再び圧迫骨折を起こす危険が高くなります。背骨の1か所に圧迫骨折がある人の1年以内の圧迫骨折発生率は、起こしたことがない人の2.6倍になります(Lindsay R, et al: Risk of new vertebral fracture… JAMA. 285:320-323,2001.)。だから、圧迫骨折を起こさないように若い頃から骨を強くしましょう。また、圧迫骨折を起こしているとわかったら、次の骨折を防ぐために、トレーニングをしましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
一つ圧迫骨折が起こると次に骨折が起こる確率は2.6倍増える
- ダイエット説明
- 昆布が作り出すエネルギー物質であるマンニトールはダイエットになる昆布ははじめから黒いのではありません。海の中では緑色で光合成をしてマンニトールというエネルギー物質を作り出します。マンニトールをラットの餌に入れて28日間飼育した実験では、マンニトールは他のエネルギー物質に比べて体脂肪になりにくいかったです。また小腸での脂肪の消化吸収を低下させる作用もあったそうです(西山紋恵:ラットの体成分蓄積に及ぼす柑橘搾汁残滓抽出液とマンニトールの効果 草食実験動物 (27) 45 – 55,2003)。だから、ダイエットをする時は昆布を活用しましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
昆布が作り出すエネルギー物質であるマンニトールはダイエットになる
- 腰痛説明
- 梨状筋症候群というお尻で坐骨神経が圧迫されて、足に痛みやしびれが出てくる病気があります。ある研究では22人の梨状筋症候群の患者さんに昆布に多く含まれているマンニトール50mg(乾燥昆布0.2gの含有量)を静脈内に5日間点滴すると同時にビタミンB12を1日に52μ(マイクロ)グラム(シジミ100gの含有量より少なく、鶏レバー100gの含有量より少し多い程度)を6週間飲んでもらいました。その後、3ヶ月後と6ヶ月後に検査をしたところ、坐骨神経痛の症状は劇的に良くなっていました。MRIを撮影すると治療前には86.4%の患者さんで坐骨神経にブヨブヨとした腫れ(浮腫)がありましたが、治療後6ヶ月には坐骨神経に浮腫がある患者さんの割合は18.2%(約5分の1)に減っていました(Huang ZF, et al :Effect of Mann…J Back Musculoskelet Rehabil. 32:329-337,2019.)。その理由ですが、神経を養う血管の中にマンニトールがあると血管神経関門が開き、血管の中の高い浸透圧を薄めようと神経にある水分が血管の中に吸い取られ、神経のブヨブヨとした腫れ(浮腫)が治まります。また水と引き替えに空いた血管神経関門からビタミンB12が神経に浸みだし、神経の傷を治したと考えられます論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
昆布だしで作ったあさりの味噌汁が神経痛に効く!
- 腰痛説明
- 2012年に日本整形外科学会が発表した「腰痛診療ガイドライン2012」には,欧米の権威ある雑誌に発表された論文を引用し,「原因のはっきりしない腰痛(非特異的腰痛)が腰痛の85 %を占める」と書かれていました。この85%という数字は衝撃的であり、いろいろな本やテレビ番組で「整形外科医は85%の腰痛を原因がわからずに治療している。」、「でも私は99%原因がわかる」という話が飛び交いました。しかし、2019年に日本整形外科学会が発表した「腰痛診療ガイドライン2019」では、「85%という数字は、腰痛の確実な診断が必ずしも簡単ではないことを知ってもらうためであり, 一般の方々への教育であり、腰痛の確実な診断と治療法の選択が必ずしも容易ではないことを紹介したものであり、実際に一般国民への教育的効果があった。」と書かれています。その後、日本の整形外科専門医による腰痛の原因を詳しく調査した報告によれば,腰痛の原因の内訳は椎間関節性22 % ,筋・筋膜性18 % ,椎間板組織性13 % ,狭窄症11 % ,椎間板ヘルニア7 % ,仙腸関節性6 %などであった. 75 %以上で診断が可能とであり,診断不明の 、非特異的腰痛“は,逆に22 %に過ぎなかった(Suzuki H, et al. Diagnosis and Characters Pain Study. PLOS One 11: e0160454,2016)と書いています。だから、「原因不明の腰痛が85%だ」と言い切る専門家は新しい情報を勉強していない専門家だと思います。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
「原因不明の腰痛は85%!」と言い切る専門家は新しい情報を勉強していない。
- 腰痛説明
- 浸透圧(水を引きつける力)の強い昆布などに含まれるマンニトールは血液神経関門を広げます。ラットの血液神経関門を電子顕微鏡で調べた実験ではマンニトールを注射すると関門が広がることが観察できました(Kalichman MW, et al: Mast cell… Am J Physiol. 268:H740-748,1995)。この性質を利用してマンニトールは脳梗塞の治療薬としても使われます。マンニトールを点滴すると血液の浸透圧が高くなり、脳(神経も含む)にたまった水分を血管のなかへ誘導し、脳のむくみを軽減させます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝