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- 若い人の整形外科説明
- 変形性ひざ関節症の原因の一つは肥満です。小児肥満(平均12.7歳)の68.8% が成人肥満(平均38.4歳)へ移行することが報告されています。その移行率は非常に高い。ゆえに成長期に肥満にならないことが重要です。佐々木先生達は2007年度に小学5年生として検診に参加し,2010年に中学2 年生として4年間成長期に追跡可能であった147名の体力を測定しました。その結果、運動クラブを辞めた生徒では筋肉の量が明白に少なくなっていました(佐々木英嗣ほか:日本臨床スポーツ医学会誌 22: 241-245,2014.)。成長期において特に女子では獲得筋量は少なく, 体脂肪率の有意な増加がみられた,部活動への参加により体格は大きく成長したが,継続できない生徒では体脂肪率が増加しました。だから、中学時代に運動習慣を身につけることは将来の変形性ひざ関節症に重要です。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
将来変形性ひざ関節症にならないために中学時代には運動を継続しよう
- 説明頸椎
- むちうち症の患者さんの診療状況を分析した竹内先生達の研究では、通院で治療した患者さんの平均治癒期間63日であり、3ヶ月後には75.7%の患者さんで治っていました。しかし,人院で治療した患者さんの平均治癒期間は143.9日であり、3か月時点での治癒率はわずか31.5%でした。つまり、人院して安静にする方が治りにくくなると考えられました(竹内孝仁: MB Orthop.12:9-13,1999.)。むちうち症の治療の原則は、1)患者さんの訴えをよく聞いて安心感を与える.2) 頚の痛みだけなら日常生活や仕事を制限しないようにすること。3)嘔気や嘔吐,めまいが強いときは,数時間のみの安静臥床をする。4)頸椎カラーは激しく痛む時のみ装着しますが、72時問以上は着用しない。だから、話を良く聞いてくれる医師にかかるのが一番良いのですが、そういう私自身忙しく一人一人のお話をじっくり聞けません。だから、前向きになれるカウンセリングを受けられる相手を見つけましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
むち打ち症は入院すると返って痛みが長びく
- 若い人の整形外科説明
- 子どもなのにお年寄のように全身のどこかの関節が痛む子が増えています。松田先生らの調査では現在疼痛のある児童は17.0%(61 人)、多い部位は膝(20人)、足首(18人)、腰(12人)の順で多かったです(松田雅弘ら:調査研究ジャーナル.5: 111-119,2016.)。関節の痛みがある児童は睡眠が短く、両腕を体側に沿えた腹臥位から勢いをつけずに、上体を床から起こして保持させた「からだ挙げ」ができず、外遊びの時間が短いという特徴がありました。また、転倒しやすい児童は片脚立位やしゃがみ込みができず、からだ挙げの運動ができず、睡眠時間が短いという特徴がありました。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
お年寄のように関節が痛く転倒しやすい児童は体力不足の子が多い
- ダイエット老化説明
- 閉経期の女性では女性ホルモンの分泌低下により,骨からカルシウムが失われる期間が早くなり骨粗鬆症になっていきます。また、閉経後は体重が骨にかかることによって骨にカルシウムを沈着させる能力が鈍くなります。石見先生達の研究では、大豆イソフラボンは,女性ホルモンと構造が似ているため、骨粗髪症を起こしたマウスに大豆イソフラボンを食べさせると骨が弱くなるのを防ぐことがわかりました(石見佳子:.日本栄養・食糧学会誌 72: 71-77,2019.)。さらに大豆食品を食べながら軽度のウォーキング(週3回,1回45分,5-6 km/時)を行うと骨密度が上がることが報告されています(Wu J,et al:Bone Miner Res 21:780-89,2006)。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
大豆を食べながら歩くと骨粗鬆症が防げる
- 説明頸椎
- リトアニアでは昔から交通事故に対する補償制度がなく,住民には「交通事故が原因のむち打ち損傷の痛みは長引く」という認識はほとんどない.Schrader先生の研究では,過去3年間に後部から大きな衝撃が加わる交通事故を起こしたグループと,過去3年間一度も交通事故に起こしていないグループの健康状態を比較しました。その結果とし て,交通事故を起こしたグループ202人のうち事故が原因で痛みが持続し日常活動が妨げられたという患者は1例もありませんでした(Schrader H et al.:Lancet,347:1207-1211,1996.)。また,頚部の痛みがある患者さんの割合は,事故を起こしたグループと起こさなかったグループとの問には統計学的に明白な差はありませんでした。このように、社会全体の認識による心理的要因が痛みの状態は変わってくるのです。また、三木先生達は柔道整復師など医業類似行為などが増加したため,頚椎捻挫の治療に医学的に必要性が証明されないのに長期間施術が行われることも問題であると指摘されています(三木健司,達.Orthopaedics.28: 77-86,2015.)。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝