戸田整形外科リウマチ科クリニック

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ニュースNews

半月板が再生できるようになり、変形性ひざ関節症になる人が減る

変形性膝関節症説明
半月板が再生できるようになり、変形性ひざ関節症になる人が減る軟骨は再生しないと言われていたのですが、広島大学が開発したメッシュ状のコラーゲンを関節鏡で軟骨のなくなった部分に移植すると軟骨が生えてくることがわかりました(中佐智幸ほか:別冊変形性関節症 234-239,2017 )。これは現在、健康保険の適応があります。最近では、軟骨がすり減る前の半月板に傷がついただけの状態で再生医療が行われています。東京医科歯科大学では滑膜から作った細胞を使って(関矢一郎:別冊変形性関節症:226-233,2017.)、大阪大学ではコラーゲンを移植して動物実験では傷ついた半月板の再生に成功しています(横井裕之ほか:バイオマテリアル-生体材料- 36: 46-51,2018)。近い将来、変形性ひざ関節症は予防できると病気になると思います。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

普段から活動性が低い人は骨折すると元の生活に戻れない

老化説明
普段から活動性が低い人は骨折すると元の生活に戻れないオランダのVochteloo博士らは股関節骨折に手術をした390人の追跡調査を行いました。手術から1年後に元の生活レベルに戻れたのは約半数であり、18.7%の患者では寝たきりになっていました。元の状態に回復できない人の多くは手術前に生活活動性の低い人と入院時に意識がもうろうとしていた人でした(Vochteloo AJ,et al: Geriatr Gerontol Int. 13:334-41,2013)。だから、普段から家の中の平たい所に車椅子の上でいるのではなく、無理をしてでもシルバーカーを押して外にでて活動性を高めましょう。論文の解説 江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

シルバーカーは日本が世界に誇る文化

腰痛説明
シルバーカーは日本が世界に誇る文化皆さん、シルバーカーと歩行車の違いを知っていますが?歩行車には囲いが付いていますが、シルバーカーには囲いがなく、手すりなんです。シルバーカーは日本で独自に進化した歩行補助具で、自分で歩くことはできるが、買い物の荷物を運ぶのが困難や、長距離の歩行が困難な高齢者が用いる製品です。高野先生らは、ロボット技術による平坦な道や登り坂での自動推進と下り坂での自動制御機能を有するシルバーカーを開発しました。このシルバーカーによって腓腹筋の前への推進力が強くなり、前脛骨筋が働き、足関節が安定し、股関節の伸展力が弱くても前に進めるようになりました(髙野倉雅人ほか:日本経営工学会論文誌 .67:261-271,2016)。論文の解説 江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

膝の移植軟骨はもう少しで天然に追いつく

変形性膝関節症説明
膝の移植軟骨はもう少しで天然に追いつく広島大学の越智先生が発表されたアテロコラーゲンを膝の軟骨の欠けた部分に移植する方法は、すでに健康保険の適応となっています。島根医大のグループはこのアテロコラーゲンを移植した後の4人の患者さんのMRIを撮影しました(林貴史,ほか.日本磁気共鳴医学会雑誌.28: 95-100,2008.)。その結果、軟骨の層構造やコラーゲン線維が天然の軟骨に比べて少なかったですが、T1postという方法では天然と移植部の間にほぼ差はなかったです。例えると不謹慎かもしれませんが、養殖のマグロの味が天然のマグロの味に近くなったことに似ていると僕は思います。論文の解説江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

大きく切らずに背骨を矯正するのは10°が限度

腰痛説明
大きく切らずに背骨を矯正するのは10°が限度最近は、これまで適応が困難であった年齢の変化による背骨の変形に対して最小侵襲脊椎安定術(minimally invasive spine stabilization, MISt)が行われるようになってきました。しかも傷跡がほとんど残らない経皮手術の技術も進歩してきました。岡山大学では椎弓スクリューを刺入した後、SAIスクリューを挿入し、経皮的に手術を行って、とても良い成績を出しています(瀧川朋亨ほか:.整形外科最小侵襲手術ジャーナル76: 39-47,2015、)。但し後方経皮手術の限界は骨移植できない、後方解離ができない、ロッド操作が困難。後方からの経皮手術で矯正できる角度は10°が限度という点です。しかし、これらの限界も今後の医療の進歩で克服されるかもしれません。論文の解説江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝