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- 説明
- 今まで人工膝関節置換術をした後は膝を伸ばす力や角度が元通りになりにくかったのですが、手術後のリハビリテーションで装着型動作支援ロボットスーツHALを使うと膝を伸ばす力や角度が手術前とほぼ同じになりました(吉岡友和ほか:関節外科.36: 524-533,2017)。その理由は大腿四頭筋に張られた皮膚電極からの信号によってHALが動作を支援してくれるからです。また、オートバイなどで転倒した後に起こる肩での神経損傷に対しては神経を縫う時には手術用ロボットシステムはda Vinci Siを使った方が人間が縫うより成績が良くなりました。その大きな理由は、手術をする時人間はどうしても手が震えますが、ロボットは震えないからです(内藤聖ほか:末梢神経27: 68-73,2016.)論文の解説 江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
ロボットのおかげで整形外科の手術成績は劇的に進歩している
- 変形性膝関節症説明
- 今年のosteoarthritis and Cartilageに載った論文では196人の糖尿病を合併した変形性ひざ関節症患者と年齢も性も肥満度もレントゲン写真の重症度も同等の196例の糖尿病を合併していない患者との間で軟骨をMRIで比較しました。その結果、糖尿病を合併している患者の方が軟骨の破壊が明ら早く進行していました(Neumann J, et al: Osteoarthritis Cartilage. 29. pii: S1063-4584(18)31136-1,2018)。その理由は軟骨を支えている骨の密度が糖尿病によって低下するからだと言われています(C Y Wen, et al:Osteoarthritis Research Society. 21;1716-23,2013.)。糖尿病は変形性ひざ関節症と違って初期には自覚症状が少ない病気です。だから、膝の痛みがでてきたら、糖尿病がないか調べて、もしあったら、糖尿病も同時に治療した方が人工関節になる確率は少なくなります。論文の解説 江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
膝が痛くなったら糖尿病がないか調べた方が良い
- ホンマでっかネタ説明
- 関節リウマチでは指や手の関節も腫れてきますが、指は感覚が鋭いので注射を打つと非常に痛いです。注射針は細い方が痛みは少ないです。現在、国内で販売されている最も細い針は34ゲージという太さです(朝倉俊成ほか:医学と薬学.69:137-146,2013.)。しかし、注射針を細くすれば注入抵抗が増加し,関節などに打つのは困難でした。その問題を3本1組の34ゲージ針に分散させるという針が臨床で普及しています。まずは、コールドスブレーで皮膚の感覚を麻痺させた後に指や手の関節に3本1組の34ゲージ針で注射を打てば痛みが非常に少なくなります。論文の解説 江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
細い針が普及して指への注射も痛くなくなった
- 老化
- 昭和40年代に高齢の方が使わなくなった乳母車に重石を積んで押して使っているのがよく見かけられました。そうする事で杖代わりになっていたのです。それを大阪府堺市にある乳母車メーカーが国内初となる高齢者用の歩行補助車が誕生させました(株式会社幸和製作所HPhttps://www.tacaof.co.jp/about/history-silvercar.html)。そう言えば、昭和の頃の乳母車は、今のバギーと違って、重たく、支えになりました。解説 江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
シルバーカーは世界に誇る日本の文明である。
- 変形性膝関節症説明
- 軟骨は再生しないと言われていたのですが、広島大学が開発したメッシュ状のコラーゲンを関節鏡で軟骨のなくなった部分に移植すると軟骨が生えてくることがわかりました(中佐智幸ほか:別冊変形性関節症 234-239,2017 )。これは現在、健康保険の適応があります。最近では、軟骨がすり減る前の半月板に傷がついただけの状態で再生医療が行われています。東京医科歯科大学では滑膜から作った細胞を使って(関矢一郎:別冊変形性関節症:226-233,2017.)、大阪大学ではコラーゲンを移植して動物実験では傷ついた半月板の再生に成功しています(横井裕之ほか:バイオマテリアル-生体材料- 36: 46-51,2018)。近い将来、変形性ひざ関節症は予防できると病気になると思います。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝