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- 若い人の整形外科説明
帖佐先生達は2007年~2015年までに約54000名の児童を検診した結果、背骨や脚の変形、肘関節の動きが少ない・上肢変形・肩関節挙上困難や歩容異常などの運動器疾患の推定被患率は約 10%であり,これまで健康診断が実施されてきた心臓・腎臓など他疾患と比べ高率でした。なお、しゃたみこみができない児童は7.1%いました(帖佐悦男:The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine.55: 9-13,2018.)。このように児童検診では内科検診より運動器検診の意義は大きいと考えられます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
児童検診では運動器の問題は心臓や腎臓に比べて高率
- 若い人の整形外科説明
ドラエもんに出てくる空き地のような自由に遊べる環境が数十年前より減少し、外遊びの時間が減っり、和式トイレなどしゃがみこむ機会が減ってきました。その反面、塾に通うことやテレビゲームなど屋内での生活時間が増え、運動不足が問題視されています。松田先生達はそんな環境のため転んでも手をつくことが出来ずに前歯や顔面の骨折をしてしまうというような、自分の身を守る動作ができない児童が急増していることを指摘しています。(松田雅弘ら:調査研究ジャーナル.5: 111-119,2016.)論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
手を突けずに前向きに転倒し顔面を強打する子どもが増えています
- 説明
健康保険組合連合会は病院で処方される薬のうち湿布・花粉症の治療薬など市販薬で代用できるものは保険適用外とする案を2019年8月23日に発表しました。現在でも湿布は1回の処方で70枚までという制限があります。湿布は薬局で買うより病院でもらった方が安いです。例えば、ある湿布は薬局で買うと1枚140円ですが、医療機関では3割負担の人は7円、1割負担の人は2円と薬局で買う値段の70分の1で済みます。また、医療機関にとって湿布だけをもらいに来る患者さんは、手間がかからず、平均売り上げを下げるので無駄な医療をしていないように見えるため有り難いと思う医療機関もあるでしょう。そのような意味で僕は医療費を削減するために湿布を自費にすることに賛成です。しかし、ある調査では1回に70枚の湿布が処方されている患者さんの年齢層を調べたところ、80歳代が多く36%を占めていたそうです(小松正典ほか:日本地域薬局薬学会誌.5: 10-13,2017.)。いろいろな箇所に湿布を貼っている年金暮らしの高齢者にとって高い値段で湿布を買うとは大きな負担になると思います。それから、腰が痛くになった時に薬店で湿布だけを買い、我慢していると実は内臓の病気が原因であり、重症化していたということも起こりえると思います。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
湿布が自費になるのは医療費削減になるが、困るのは高齢者
- 変形性膝関節症説明
変形性ひざ関節症の患者さんを治療していると激しい運動や怪我をしたわけではないのに突然膝の激痛を訴えてこられる方が時々します。その点について末永先生らは「中・高齢者の半月損傷に関しては急激な痺痛発症で歩行困難なほどの症状を呈する場合は,内側半月後角横断裂を念頭に置く必要がある」と述べています(末永英慈ら:整形外科と災害外科.58: 437-440,2009.)。そんな場合は関節鏡で確かめながら膝の内後ろに打つ注射が効果的です。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
治療で順調だった膝に突然激痛がくるのは半月板後角のせいかも
- 腰痛説明
骨粗鬆症の見た目の悩みは背骨の骨がいつのまにか骨折を起こして背中が丸くなってくることですよね。これを脊柱後彎変形といいます。脊柱後弯変形になると歩く時のバランスを悪くして,新たな骨折の誘因となる転倒のリスクを増加させます。脊柱後弯の増強には,背骨の骨折だけではなく,背筋力の低下も関与します(宮腰尚久: The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine.56: 367-370,2019.)。背筋を鍛えるにはうつぶせ寝になってお腹に枕を敷き、リュックサックを背負って状態を起こす運動を 1 日 10回行いましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝