戸田整形外科リウマチ科クリニック

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太腿を高く挙げる足踏みで長時間の立位仕事が楽になる。

変形性膝関節症筋肉トレーニング説明
腸腰筋は股関節を吊り下げる筋肉であって、膝を吊り下げる筋肉ではないので変形性膝関節症に水平足踏みをして腸腰筋を鍛えても意味がないという方がおられるでしょう・ そこで僕は水平足踏みをすると変形性膝関節症のどのような症状が良くなるかを検証してみました。肘を骨盤の周りに固定し、両手掌の高さまで左右交互に大腿を速く挙上する。50回1日2セットを指導した群と指導しなかった群で治療成績を比べました。その結果、30分以上立位の痛みに関しては、『指導なし群』で20人が治療前に痛かったですが、その内、13人(65%)が治療後には痛くないと答えました。一方、『指導あり群』では、治療前に痛いと言っていた20人中20例人(100%)が治療後痛くないと答えました。この項目に関しては『指導あり群』の方が『指導なし群』より統計学的に明白に高い改善率でした。その他の9項目に関しては両群間で統計学的に明白な差はありませんでした。 長時間立っている仕事では、右の足に重心を乗せたり、左の足に重心を乗せたりして足を休めますよね。例えば、スライドの女性は左足に重心をかけ、右足を休めています。このような立ったまま体重移動をするときには腰の筋肉(多裂筋や最長筋)とともに骨盤と腰の骨をつないでいる腸腰筋が働いて、体をまっすぐに保ったまま重心移動することができます。だから、水平足踏みで腸腰筋を鍛えれば立っている時に姿勢を崩さず、上手く重心が移動できるようになるので30分以上立っていても膝が痛くならないのです。 #江坂 #整形外科 #変形性膝関節症 #水平足踏み #腸腰筋 #長時間立つ #戸田佳孝

「コレステロールが高い」には二種類ある。

ダイエット説明食事療法
大雑把に言うと悪玉コレステロール値が高いと心臓の冠動脈疾患になりやすく、中性脂肪の数値が高いと、脳梗塞のリスクも上がります。岡崎先生の解説によると悪玉コレステロールつまり低比重リポ蛋白コレステロール(略してLDL-C)が長年にわたって蓄積するとどう動脈の柔らかさが失われる動脈硬化になり易く、心臓や血管の病気になりやすいです 金澤先生達の報告では脳梗塞になる前には多数の動脈血管狭窄のあることが判明しました。岡村先生の2022年に改定された動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、中性脂肪が高いとアテローム血栓脳梗塞になりやすいです。 つまり、中性脂肪が高いと脳梗塞になりやすいと考えられます 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

階段を下る時に膝が痛むのなら内外ももの筋トレをしよう

変形性膝関節症筋肉トレーニング説明
僕たちの調査では変形性膝関節症の患者さんにヒアルロン酸関節内注射と椅子に座ってひざを伸ばして前ももを鍛える訓練を指導した25例の変形性ひざ関節症患者さん(指導なし群)とその注射に内ももと外ももの訓練を追加指導した26例(指導あり群)との間でリキーネ先生の質問表にある10の動作に伴う痛みと体の横揺れの度合いを比べました。 その結果、4週間治療前後での立っている時の体の横揺れの改善率は指導なし群の平均6%しか改善しませんでしたが、指導あり群の平均11.9%も改善しました。 階段を下りる時の痛みは、指導なし群で17人が治療前に痛みがあり、その17人の中で治療後は4人(23.6%)が痛みがなくなりました。一方、指導あり群では、治療前に痛みのあった19人中12人(63.2%)が疼痛なしと答えました。この項目に関する統計学的検定では指導あり群の方が指導なし群より有意に高い改善率でした。 内田先生達は日常生活動作での体のよこ揺れの度合いを検査しました。その結果、階段下りる時に最も体の横揺れが増加しました。内ももと外ももの筋力が弱い変形性ひざ関節症の患者さんでは体の横ゆれが大きいです。このため、内ももと外ももの筋トレによって体の横揺れが少なくなると階段下りる時の痛みが減ります。だから、階段が下り時の痛みには太ももの内側と外側の筋肉を鍛えましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

ヤンキー座りごときで本当に骨盤がよく動くようになるのか?

肩こり腰痛説明
僕はヤンキーごときで本当に骨盤の動きは良くなるか?ということを実験してみました。当院に通院中の患者の付き添い家族と当院職員とその友人で20歳以上の233人の腰や関節が痛くない人を対象にしました。「過去に3ヶ月間以上継続する慢性的な腰痛を経験したことがあるか?」という質問を行い、「ある」と答えた78例を腰痛経験ありグループ、「ない」と答えた155例を腰痛経験なしグループに分類しました。233人の中で女性は118人、男性は115人でした。骨盤の動きは前屈時の指から床までの指と床の距離で測りました。椅子に腰掛け前屈し、20回ゲンコツで脊柱起立筋をこする前に比べて後で指床間距離が何cm伸びるかを男女の間腰痛経験のありとなしグループで比較しました。 小学校の時の体力測定の体前屈の要領で膝関節を伸展し反動をつけないようにしながら体を思いっきり前屈し、両方の中指で水平板を押してもらいました。床から水平板までの距離を指床間距離としました。なお、床面に指先が着かない体の固い人の指床間距離はマイナスになります。20秒間のヤンキー座りストレッチの後、再び指床間距離を計測し、ストレッチ後の指床間距離をストレッチ前の指床間距離から引き、骨盤動きの改善度を評価しました。 233例中ストレッチ後に指床間距離の差が増えた人は222人(95.3%)、変わらなかった人は10人(4.3%)、減った人は1人(0.4%)でした。つまり、殆どの人は前かがみになり、ゲンコツでストレッチすると骨盤の動きが滑らかになることがわかりました。ストレッチ前の指床間距離は腰痛経験ありグループが経験なしグループに比べて短かったですが、ストレッチ後の伸びは経験なしグループが平均3.3cm、経験ありグループが平均3.3cmとほぼ同じでした。つまり、体の固い腰痛経験のある人ほど普段からヤンキー座りストレッチをするべきだと考えました。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝  

腰痛は悪循環する。ストレッチで循環を断ち切ろう

腰痛説明
腰痛を我慢しているとどんどん痛みがひどくなります。なぜなら、腰に痛みを起こす原因(筋肉の凝りなど)があると、知覚神経(熱い物を触ったら「アッチチ」と感じる神経など)が刺激され、脊髄を通って脳に情報が伝わります。脳に情報が行くまでに脊髄に情報が伝わると、交感神経(興奮した時に働く神経。ネコが興奮すると毛が逆立つような反射神経)が刺激され、血管の収縮や筋肉の緊張が起きます。そうするとさらに腰痛のある部分の筋肉が凝り、痛みがでます。 僕は腰痛の強さと脊柱起立筋の固さは比例するのかどうかを研究しました方法は57人の腰痛症の患者さんに間欠的牽引と骨盤周囲筋肉のストレッチを2週間行うように指導しました。2週間治療前後でローランド・モーリスの質問表に答えてもらいました。 筋肉の硬さは2週間の治療前後で筋硬度計という筋肉を圧迫した時に筋肉が跳ね返してくる力を測る器械をヤコブ線(骨盤の上を結ぶ線)に当てて測りました その結果、治療によって脊柱起立筋が柔らかくなった患者さんほど、痛みのある動作が沢山減ったという正比例関係がありました。逆に、ストレッチなどで脊柱起立筋を柔らかくすれば、腰痛の悪循環が断ちきれる可能性があると考えました。解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝