貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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1年半以上山中野ざらしの骨からの本人確認するのはなぜ難しい

未分類説明
山梨県道志村の山中で子どもの頭部とみられる人骨の一部が見つかったことを受け、山梨県警は29日、同村のキャンプ場で2019年9月に行方不明になった小倉美咲さん(当時9歳)との関連を調べています。 しかし、2020年5月1日には発見された骨による細胞の核からのDNA鑑定では個人が特定できなかったと発表されました。その理由はこの骨が死亡から数年経過しているためだと考えられます。骨のDNA鑑定する時には脱灰という骨のカルシウムを溶かす作業をします。永井先生達によると山中で発見された死後1年半ぐらい経過した骨では脱灰しても核からのDNAの抽出量が極度に低下したが、山中で発見された死後半年ぐらい経過した骨では他の試料に比べ抽出量は多かったと報告しています(永井 みどりほか: DNA多型.25:23-126,2017)。 山梨県警によると今度は親子関係などに使われる細胞質にあるミトコンドリアのDNAを鑑定すると発表しました。多分、お母さんのミトコンドリアDNAと照合するのだと思います。しかし、高柳先生達によるとミトコンドリアDNA鑑定は血液を使った場合に比べて、髪の毛を使った検査では、一つの細胞のなかで、正常なミトコンドリアDNAと変異したDNAが一緒に存在するヘテロプラスミーが沢山起こっていたと報告しています(高柳カヨ子ほか: DNA多型.12:114-116,2004)。いずれにしろ、この骨が美咲さんの物ではなく、美咲さんが生存していることを祈っております。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

ウクライナの誇りを支える遺伝子学的研究結果

未分類説明
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。ウクライナの人はどうして国土30倍、GDP10倍のロシアに屈しないのでしょうか?その誇りの源は何なのでしょうか? クシシュトフ先生達ポーランドでの遺伝子学的研究ではロシア人を含むスラヴ民族の故郷はキーウ周辺であることがわかりました。その理由としてY染色体は父親からしか遺伝しないので組み換えがおこらりませんが、Y染色体にあるスラヴ人に特徴的な遺伝子はキーウ周辺の人の一番多かったからです(Rebala Krzysztof, etal:Journal of Human Genetics.52;406-414,2007.)。 9世紀の終わりにキーウ大公国が成立しましたが、モンゴルに征服されました。しかし、モンゴル人は人口も少なかったことから間接統治を行いました。その後のロマノフ王朝はモンゴルの庇護下でルーシの最高の地位とされたウラジーミル大公の地位を独占してゆき、最終的にはモスクワ大公と呼ばれるようになります。ウクライナ人にはモンゴルに媚びを売ってスラヴ人の都を奪われたという思いがあるのかもしれません。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝 #江坂 #整形外科 #江坂整形外科 #ウクライナ侵攻 #ロシア #プーチン #誇り #スラヴ人 #ゼレンスキー #モンゴル

加齢臭には山椒、口臭には昆布出しが良い

老化説明食事療法
国内のある大学の実験では、山椒に含まれるシトロネラルを年老いたマウスに食べさせた場合の尿の臭いを若いマウスの尿の臭いと比較しました(長田和実ほか:日本味と匂学会誌.17: 409-412,2010.)。その結果、山椒に含まれるシトロネラルを食べることによって年老いたマウスが尿から発している加齢臭がなくなりました。この実験を行った先生たちは「シトロネラルが加齢臭を抑える効果は他の哺乳類でも当てはまる」と予測しています。 唾液は、歯や粘膜の汚れを洗い流してくれます(佐藤しづ子ほか:薬学雑誌 .135:783-787,2015)。反対に、唾液の量が減ってくるドライマウスは口臭の原因になります。一方、昆布だしは、食欲を刺激し、唾液の量を増やします。国内のある大学では昆布だしを使ったウガイでドライマウスを治療しています2)。酸っぱい物を食べて唾液を増やす方法とは違い、昆布だしウガイは、口腔粘膜を刺激することなく、持続的に唾液量を増加させることができるそうです。 また、以前に動画アップしたように昆布出しには神経に栄養が行き渡りやすく作用もありますので、口臭だけでなくしびれにも効く可能性が高いです。論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

スポーツ現場での『お仕事』

スポーツ若い人の整形外科説明
今回も関西医療大学の増田教授に聞きました。↓我々スポーツドクターと称される医師が現場でどういう仕事をしているのか?どんな業務内容を?という質問がありました。もちろん私と他の先生と同じスタイルではありませんし、そもそも救急処置としても医療機関外での医療行為に該当する可能性を鑑みて重々注意しておりますが…。 大きく分けますと、チームドクターとして試合等に帯同する場合と依頼されて公式戦のオフィシャルドクターを務める場合に大別されます。協会からの依頼ですと、昔はジュラルミンのボックス・今はスーツケース2台がし支給されます。中には各種薬品類や器材が入っています。 その中から「今日は練習」「今日は試合」みたいに別に支給されるドクターバッグに必要物品を詰め入れて現場に持っていくわけです。 ところが「あ!忘れた!!」とか「もっとこういうブツがあった方が…」という経験を重ねまして、自分なりのドクターバッグを作りました。ほとんど『自腹』ですけどね。 さて、色々と気を遣う業務があるんですが、私の場合は止血です。というのは小さい傷でも出血のコントロールが不十分でガーゼなどに滲み出てくると試合に『復帰』できません。言い換えればボクシングのカットマンの業務みたいな感じです。 昔ながらのワセリンを使ったり、 手術用のアビテンという止血剤もバッグに入れています。 糸を用いての縫合の時間が惜しいので局所麻酔もせずにステイプル、つまりホッチキスで固定したりします。しかし最も時間が必要だし精神的に疲労を感じるのは↓毎日の報告書作成と、選手や所属チームとのコミュニケーションですね。このあたりは医療やスポーツの現場でなくても同じでしょうが…。解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

体に貯まったガスの浮力で浮き上がってくるのは水深30mが限度

未分類説明
北海道・知床半島沖で観光船「KAZU 1(カズワン)」に関して捜索中の船の水中音波探知機(ソナー)に、海中で船体らしき反応があったことが4月26日に分かりました。カズワンから救助要請があっ「カシュニの滝」付近沖合の水深約30メートルの海中だそうです。北方領土まで流されたのでは、とか水深100mまで沈んだのではと心配されていましたが、これが本物であることを願います。 青木先生達の報告では、福島県相馬沖の水深230mに沈没していた船は2年後に引き上げられ、遺体が回収されたそうです(青木康博ほか:法医学の実際と研究.31: 217-223,1988.)。水深230mに比べれば30mなら早期に回収できるかもしれません。 ちなみに水中で亡くなると微生物が原因で体内にガスが発生するので水面に浮上してくることが多いです。しかし、渡辺先生によると体内に貯められるガスの量の限界は200リットル(これは通常の家庭用浴槽の大きさ)であり、それ以上溜まると皮膚がパンクするので通常の体格の大人では浮上限界は30mです。(渡辺富雄: 文部省研究報告集録医学及び薬学編 昭和四十四年I Page19,1970)。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝