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- 老化説明
齋藤先生達は、若者39名および高齢者36 名が使用していた靴の摩耗を計測しました(齋藤誠二ほか靴の医学.20: 136-141,2006.)。その結果、高齢者は若者のように外側に偏ったすり減りではなく, 外側の摩耗と同時に内側も摩耗していました。その理由ですが、通常の歩行では踵が地面に着く瞬間に足が外側に開くスクリューホーム運動が起るので靴の外側がすり減りますが、 高齢者は加齢に伴う下肢筋力の低下および関節可動域の縮小により,スクリューホーム運動が弱くなり、すり足歩きになるからです。そして、滑って転倒しやすくなります。高齢者のご家族がいれば、足を高く挙げて歩くように注意してあげて下さい。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
高齢者の靴は広く浅くすり減るので滑りやすい
- 若い人の整形外科説明
先日紹介した畔柳先生達は、今後は新入学生に試し履きをしてもらい、通常履く靴(ウィズはすべて3E)を選んでもらい、9ヵ月経過時に,アンケートで靴を履く際の足の痛みが有るか、無いかを調査しました(畔柳裕二ほか:靴の医学.33: 64-68,2020.)。その結果、足長よりも小さい靴を履いている学生は痛みが少なく,靴に比べて細い足(特に女性)の学生は痛みが多い傾向にあったそうです。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
少し小さめの靴を選んだ方が痛みは少ない
- 若い人の整形外科説明
山口先生達は土踏まずにパッドを当てるバンドを強く締めた場合と裸足とを比較した場合、歩行時間が短く,歩数が少なくなる傾向があったと報告しています。これはウィンドラス機構(バンドを強くまくと足の趾が起き上がり足底腱膜が巻き上げられ内側縦アーチが緊張し,足部の剛性が高まる)によると考えられます(山口槙介ほか.靴の医学.33: 21-25,2020.)。つまり、土踏まずが深くなると飛びはねるような歩行ができるようになるということです。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
アーチサポーターを強めに占めると足のバネが強くなる
- 若い人の整形外科説明
身体測定の時に自分が思っていた身長よりも低い値がでることがありませんか?靴のサイズでも同じで実際よりも大きく思いがちです。畔柳先生たちは実際の足のサイズと自分が選ぶ靴のサイズの差を調べました。その結果、男女とも,実際の足長よりも選んだ短靴は約 1cm 大きく,男性の 19.5%,女性の 41.1%は実際の足囲から求めた靴と 2 サイズ以上合っていない靴を履いていました(畔柳裕二ほか靴の医学.32 : 49―53,2019)。ウィズが 2 つ大きくなると靴と足の隙間ができ,靴の中で足が横にずれるためうまく蹴り出せません。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
自分で選んだ靴は大きめで蹴りだす力が弱くなる
- 若い人の整形外科説明
合わない靴を履くと足の甲が痛くなることが多いですよね。靴を選ぶ時には24cmとか26cmとか足の長さで選びますが、それはパンツを選ぶ時に身長で選ぶのと同じです。パンツをお腹周りで選ぶように靴選びも趾の付け根の周りの長さで選んだ方が良いようです。稲岡先生らは足部周りの長さは足の甲の高さと正比例していました(稲岡千秋,靴の医学.32: 9-12,2019)。だから、靴が合わないとお悩みの方は靴屋さんに足回りの長に合った靴を選んでもらいましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝