貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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カーリングで起り易い肩甲骨不安定症は巻き肩でも起る。錘を肩で持ち上げる

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北京オリンピックでもカーリング女子は初戦で世界ランク1位の前回覇者スウエーデンに敗れたものの健闘していますね↓カーリングと巻き肩の話をします 高橋先生の調査では4人のカーリング選手のメディカルチェックでは全員が肩甲胸郭関節が不安定であり、レントゲン写真でみると肩甲骨の位置がずれていたそうです。その理由はカーリングのスイーブ動作だそうです。普通肩甲骨は胸郭、つまり肋骨の上に乗っているだけであり、軟骨のある関節はないです。しかし、スイーブでは肩甲骨を左右上下に激しく動かすから肩甲骨が不安定になるのです(高橋知之ほか:日本整形外科スポーツ医学会雑誌.39:73-78,2019)。 同じように肩甲骨の位置がずれてくる状態に巻き肩があります。これは姿勢が悪くなってくることによって肩甲骨が前にずれ下がってくる状態です。特徴としては横に寝転がった時に肩がベッドから浮き上がって、隙間ができる 山本先生達は、肩甲胸郭関節機構不全に対する運動療法は重力下における胸郭面を浮遊する肩甲骨周囲筋群の筋活動制御が焦点となってくると書いています(山本昌樹ほか:MEDICAL REHABILITATION .17:33-41,2002)。だから、巻き肩など肩甲骨が動きにくくなった時には肩甲骨を正しい位置に戻すために液体の入ったペッドボトルを肘を伸ばしたまま肩甲骨の周りの筋肉で20回上げ下げを朝夕2回しましょう。 論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

選手村あるある 

スポーツ若い人の整形外科
北京で冬季の北京オリンピックが開催されています。↓今回も関西医療大学の増田教授にききました。増田先生はオリンピックの選手村には入った経験がありませんが、でサッカー・フットサルなどの国際大会に帯同させて頂いた経験が何度かあります。現在はそんな事は無いのかも知れませんが、私の昔々の『選手村あるある』をお話しします。 例外もありましたが、基本的に大会後に分譲されるマンションが提供されます。高層建築なんですけど、当然エレベーターは1つか2つです。ですので移動が簡単なのは階段をも使える低い階です。そのフロアは前回大会で好成績を上げられた種目のチームになるんですよ。 室内は内装工事前ですので、ごくごく簡素なものしかありません。 一番驚いたのは、すごく広い選手村内に移動用の自転車が置いてあったんですけど、日に日に少なくなっていくんです。「体格の良い選手も多いし、壊れるスピードが速いのか…」と思っていたんです。そしたら夜にフェンス・壁の外に放り投げる人(選手?スタッフ?)が…。そうです、外部に流して売ってたんです。

ジャンプ力は関節を伸ばす力だけではなく曲げる力を鍛えることが大事

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北京オリンピックでは2022年2月6日に日本選手として最初の金メダルをジャンプスキーの小林選手が取りました。おめでとうございます。一方、スーツ規定違反となった高梨沙羅ちゃん、本当にかわいそうでした。 梅澤先生たちはスキージャンプ選手33人のジャンプ直前の踏切り動作(サッツ動作)をコンピューターで解析しました。その結果、膝関節の角速度が高いほど飛距離が長かったため、空気抵抗に負けずにサッツ動作を起こすためには,腰背部,殿部,下肢の筋力トレーニングが重要であると述べています(梅澤香貴: 昭和医学会.60:471-486,2000.)。皆さん、物理の授業で習った角速度って覚えてますか?角速度は単位時間あたりの回転角です。つまり、膝を曲げて力を貯めていると伸ばす時に角速度が速くなり飛距離が長くなります 2018年5月26日放送の「世界一受けたい授業」で小林選手の師匠である葛西選手は「疲れない体の作り方」の一つとしてテレマークスクワットを紹介していました。その方法は、【1】足を前後に開き、手を腰に当ててバランスをとりながら、5秒かけてゆっくりと 膝を落としていく。【2】膝が床に着く直前で5秒キープする。【3】10秒かけて、ゆっくりと元の位置に戻していく。5回×3セット行う。です。↓ディスクワークで運動不足の方は試してみましょう。 ジャンプ力は陸上競技の高跳びだけはなくバスケットボールやバレーボールなどでも重要ですので、是非、膝を曲げてバランスをとる訓練をしましょう。↓晩年は愉快であった輪島功一選手も現役時代はカエル跳びアッパーを得意としていましたので、ボクシングにも関係するかもしれません。 論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

スピードスケートの成績向上には夏期の陸上運動が良い。

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北京オリンピックで2022年2月7日高木美帆選手が女子1500m·スピードスケートで銀メダルを獲得しました。2大会連続ですね。 橋本聖子元東京オリンピック担当大臣は1984、1988、1992、1994年の冬のオリンピックにスピードスケート選手として出場したほか、夏に足腰を鍛えるために取り組んだ自転車で1988年ソウルオリンピック、1992年バルセロナオリンピック、1996年アトランタオリンピックの3回、日本代表選手になりました。橋本元大臣が実証したようにスピードスケートの選手は夏のスポーツにも強いです。それはなぜでしょうか? 赤はね先生の調査では、スピードスケートの強化選手に選ばれたジュニア選手達は選ばれなかった選手達に比べて、左脚で片足であった時の重心のブレが少なかったそうです(赤羽勝司ほか:身体教育医学研究 .8巻:13-20,2007)。同じく赤羽先生達は模擬スケート靴を用いた不安定環境下でのスケート動作の模倣トレーニングは、氷上トレーニングを行いにくい夏季の陸上トレーニングとして役立つと述べています(赤羽勝司ほか:理学療法科学.21: 325-330,2006.)。当り前の話ですが、↓トップアスリートはシーズンオフの時こそ体を鍛えているんですね。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

アイスホッケーで着けるマウスガードはマウスピースと違って脳震盪を予防する

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日本チームはあまり勝てなかったアイスホッケーですが、北京オリンピックでは日本女子アイスホッケーチーム、スマイルジャパンが五輪最多得点をあげていますね↓。菅原先生によるとアイスホッケー競技で良く起きる外傷として脳振盪、肩鎖関節損傷、膝内側側副靱帯損傷が挙げられます。そして転倒予防のためには股関節外転筋を鍛えることが大事だそうです。中でも危険な脳震盪を防ぐためにはマウスガードが重要です。 皆さん、マウスガードとマウスピースの違いをご存じでしょうか?スポーツマウスピースは、パンチやタックルなどの衝撃から歯を守る以外に、瞬発的な食いしばりから歯を守ったり、歯で自分や相手を傷つけることを防ぐので柔軟性があります。一方、マウスガードの目的は (1)直接的外力から歯を保護する。(2)口唇、舌、頬の損傷を防止する。 (3)衝撃力から顎(あご)の関節を保護する。(4)顎関節および歯列を介して脳への衝撃による脳震盪や、より深刻な脳へのダメージを防ぐのでやや硬いです 三ツ山先生達によると2010年から20歳以下では装着が義務化されているマウスガードですが、「現在使用中」と答えた割合は高校生群90%だったのに対してプロ群では55%だったそうです。安全のため装着してほしいですね。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝